気温40℃でエアコンが冷えない?故障を疑う前に「室外機」を確認しよう

連日の猛暑でエアコンをつけているのに、なかなか部屋が涼しくならない。
- 「設定温度を下げても冷えない」
- 「エアコンから風は出ているのに暑い」
- 「昼過ぎから急に効きが悪くなった」
このような場合、エアコンが故障しているとは限りません。気温が40℃近くまで上昇する日は、屋外に設置された室外機の周辺が高温になり、冷房効率が低下している可能性があります。
室内での熱中症を防ぐためにも、エアコンの室内機だけでなく、室外機の状態にも目を向けてみましょう。
エアコンの消費電力の約8~9割は「室外機」
エアコンというと、室内にある本体から冷たい空気が出てくるため、室内機が中心となって部屋を冷やしているように感じます。
しかし、実際に大きな役割を担っているのは屋外にある室外機です。
室外機には、室内から運び出した熱を屋外へ放出する役割があります。大手家電メーカーの調査によると、エアコンの消費電力のうち約8~9割を室外機が占めるとされています。
ところが、その割合を「80%以上」と正しく認識していた人は、調査対象者のわずか5%でした。室外機がエアコンの電気代や冷房能力を大きく左右していることは、まだあまり知られていないようです。
室外機は、いわばエアコンの心臓部。室内機のフィルター掃除だけでなく、室外機が効率よく熱を逃がせる環境を整えることも大切です。
気温40℃近くになると、なぜ冷えにくくなるのか
冷房運転中のエアコンは、室内の熱を室外機から屋外へ放出しています。
ところが、屋外の気温が非常に高くなると、室外機は熱を外へ逃がしにくくなります。特に、次のような場所では室外機の周辺温度がさらに上がることがあります。
- 室外機に直射日光や西日が当たっている
- コンクリートやベランダ床からの照り返しが強い
- 室外機の前に荷物や植木鉢が置かれている
- 狭い場所に設置され、熱い空気がこもっている
- 落ち葉やホコリがたまっている
気象情報で発表される気温が39℃であっても、直射日光や地面からの照り返しによって、室外機周辺はそれ以上の高温になることがあります。
室外機が吸い込む空気の温度が上がるほど冷房効率は低下し、同じ設定温度でも多くの電力が必要になります。
パナソニックの試験では、同じエアコンを同じ温度に設定した場合、外気温30℃のときの消費電力は、外気温35℃のときの約52%でした。わずか5℃の違いでも、消費電力には大きな差が生じることが示されています。
そのため、猛暑日にエアコンの効きが悪くなるのは、必ずしも故障ではありません。室外機が厳しい高温環境で、懸命に熱を外へ逃がしている状態ともいえるのです。
今日からできる室外機の猛暑対策
1.室外機の前に物を置かない
最初に確認したいのが、室外機の吹き出し口です。
室外機の前に収納ボックス、植木鉢、自転車、ゴミ箱などが置かれていると、排出した熱い空気が再び室外機へ戻り、冷房効率が低下することがあります。
一般的な目安として、室外機の前側は少なくとも20cm以上空け、できれば30cm以内には物を置かないようにしましょう。実際に必要なスペースは機種によって異なるため、取扱説明書も確認してください。
2.直射日光を避け、日陰をつくる
室外機に強い日差しが当たっている場合は、すだれやよしずなどで日陰をつくる方法があります。
ただし、室外機へ直接かぶせるのではなく、少し離れた場所に設置し、空気の通り道を確保することが重要です。
特に注意したいのが、室外機全体を囲ってしまうタイプのカバーです。室外機の前後や側面をふさぐと熱がこもり、かえって冷房効率が低下する可能性があります。
日差しは遮る。しかし、風は遮らない。
これが室外機の日よけ対策の基本です。前後左右上下のうち、少なくとも3方向を開放することが推奨されています。
なお、賃貸住宅で壁や床への固定、穴あけを伴う日よけを設置する場合は、事前に管理会社や貸主へ確認しましょう。
3.落ち葉やゴミを取り除く
室外機の周囲に落ち葉、ビニール袋、クモの巣、土ぼこりなどがたまっていないか確認してください。
台風や強風の後は、飛来物が室外機の裏側や吹き出し口付近に入り込んでいることがあります。
手の届く範囲のゴミは取り除いて構いませんが、室外機内部の部品や薄い金属板には触れないようにしましょう。無理に掃除すると、部品の変形やケガにつながるおそれがあります。
4.濡れタオルを載せる方法は避ける
インターネット上では、室外機の上に濡れタオルを置き、バケツから水を吸わせて冷やす方法が紹介されることがあります。
しかし、タオルがずれたり垂れ下がったりすると、室外機の吸い込み口や吹き出し口をふさぐ可能性があります。空気の流れが悪くなれば、かえって消費電力が増えてしまいます。
室外機を冷やす場合は、濡れタオルを載せるのではなく、風通しを確保したうえで日差しを遮る方法を選びましょう。
室外機だけでなく、室内も確認しよう
冷房の効きが悪い場合は、室外機とあわせて次の点も確認してください。
- 室内機のフィルターがホコリで詰まっていないか
- 窓やドアが開いたままになっていないか
- 強い西日が室内に入っていないか
- 部屋の広さに対してエアコンの能力が不足していないか
- サーキュレーターや扇風機で冷気を循環させられるか
カーテンやブラインドで日差しを遮るだけでも、室内への熱の侵入を抑えられます。
また、「設定温度が26℃だから大丈夫」とは限りません。エアコンの設定温度と実際の室温は異なる場合があります。温湿度計を、人が普段過ごしている場所に置いて確認しましょう。
冷えないときは、室内に我慢してとどまらない
室外機周辺を整理しても室温が下がらない場合や、エアコンが停止してしまった場合は、室内で我慢し続けてはいけません。
涼しくなるまで、エアコンが効いている別の部屋、商業施設、公共施設などへ移動することも検討してください。
熱中症は屋外だけでなく、室内で安静にしているときにも発生します。厚生労働省は、エアコンが効いている室内などの涼しい場所を選び、のどが渇く前から早めに水分を補給するよう呼びかけています。
特に高齢者、乳幼児、持病のある方、体調がすぐれない方がいるご家庭では、本人の感覚だけに任せず、周囲の人が室温や体調を確認しましょう。
改善しない場合は管理会社へ
次のような症状がある場合は、単なる猛暑の影響ではなく、故障や不具合の可能性があります。
- 室外機がまったく動いていない
- エラーコードが表示されている
- 異常な音や振動、焦げたような臭いがする
- ブレーカーが繰り返し落ちる
- 室内機から水が漏れている
- 夜間や比較的涼しい時間でも冷えない
- フィルターや室外機周辺を確認しても改善しない
賃貸住宅の備え付けエアコンの場合は、自分で分解や修理をせず、管理会社に連絡してください。
